海外で暮らす場所を選ぶとき、国や都市の名前だけで判断してしまうことがある。
フィリピンならセブ、マニラ、ドゥマゲッティ。インターネットで情報を集め、物価や治安、気候、交通の便などを比較する。
しかし、実際に暮らし始めると、同じ街の中でも、住む場所によって生活は大きく変わることに気づく。
市内の中心部に住むのか、少し離れた郊外に住むのか。商業施設や飲食店が近くにある場所を選ぶのか、静かな住宅地を選ぶのか。
それによって、買い物のしやすさも、移動にかかる時間や費用も、日々の過ごし方も変わってくる。
私が暮らしているドゥマゲッティでも、都市部と郊外では、それぞれ違った特徴がある。
私自身は、静かでのんびりした環境で暮らしたいので、郊外を選んでいる。買い物などでは市内に出る必要があるが、移動手段を工夫すれば、日常生活に大きな不便はない。
今の私にとっては、郊外で暮らし、必要なときに市内へ出るという生活スタイルが合っている。
静かでのどかな環境を求めて、郊外を選ぶ
私が郊外に住んでいる理由は、静かでのんびりした環境が好きだからだ。
家賃も市内の中心部と比べると割安になる。もちろん、物件や地域によって違いはあるが、私の場合は、住居費を抑えながら落ち着いた環境で暮らせることが大きな魅力になっている。
特に気に入っているのが、早朝の空気だ。
朝早く起きると、空気が澄んでいて気持ちがいい。静かな環境の中で一日を始められることは、都市部ではなかなか味わえない魅力だと感じている。
そのおかげもあって、私は早起きが習慣になった。
毎朝、コーヒーを飲むところから一日が始まる。
何か特別なことをしているわけではない。ただ、静かな環境でコーヒーを飲み、ゆっくりと一日を始める。それだけのことだが、私にとっては大切な時間になっている。
以前の自分なら、住む場所を選ぶときに、便利さや都市部へのアクセスをもっと重視していたかもしれない。
しかし、今は少し違う。
買い物に多少の移動が必要でも、毎日を過ごす場所が静かで、気持ちよく朝を迎えられることのほうが大切になった。
暮らしやすさは、何でもすぐに手に入ることだけでは決まらない。自分がどのような環境で一日を始め、どのように時間を過ごしたいのか。それも、住む場所を選ぶうえで重要な条件なのだと思う。
郊外に住んでも、買い物や用事では市内へ出る
もちろん、郊外で暮らしていれば、何もかもが近所で済むわけではない。
前回の記事でも触れたように、私が住んでいる地域にも、最近は24時間営業のセブンイレブンなどができ、以前より便利になってきた。
それでも、買い物や用事によっては、ドゥマゲッティ市内の中心部まで出ることが多い。
ここで重要になるのが、移動手段だ。
住む場所が静かで家賃も安くても、必要な場所へ移動するのが大変であれば、日常生活は不便になる。反対に、移動の問題をうまく解決できれば、郊外のよさを生かしながら、市内の便利さも利用できる。
私の場合、以前は車ですべての移動を済ませていた。
しかし、燃料代が高くなるにつれて、移動にかかる費用が気になるようになった。そこで、最近は普及してきた電動バイクを使うようになった。
これが、私の生活スタイルを考えるうえで、大きな変化になった。
移動手段を変えると、毎月の支出も変わる
ドゥマゲッティでは、私が以前住んでいた日本の都市部のように、タクシーを気軽に利用する生活を前提にすることは難しい。
私の普段の生活圏では、乗り合いのトライシクルやジプニーが主な公共交通手段になる。一方で、移動の自由度を重視するなら、自分で乗り物を用意するという選択肢もある。
私は以前、車で移動することが多く、燃料代だけで毎月およそ5,000ペソを使っていた。
それが電動バイクに変わってからは、電気代が月500ペソほどになった。
私の使い方では、フル充電にかかる電気代は約20ペソだ。もちろん、走行距離や充電の仕方、電気料金などによって費用は変わるが、以前の燃料代と比べると、大幅な節約になっている。
月5,000ペソと月500ペソ。単純に比較すると、毎月4,500ペソほどの差になる。
年間にすれば、54,000ペソだ。
もちろん、これは燃料代と電気代を比較したものであり、車や電動バイクの購入費、整備費、保険などを含めた総費用の比較ではない。それでも、日常の移動にかかる支出を減らせたことは、私にとって大きい。
海外生活では、住居費や食費だけでなく、移動にどれくらいお金がかかるかも重要になる。
同じ地域に住んでいても、移動手段によって毎月の生活費は変わる。だからこそ、住む場所を決めるときには、家賃だけを見るのではなく、そこからどのように移動するのかまで考えておく必要がある。

ドゥマゲッティでは、バイクの機動力も便利
電動バイクを使っていて、もう一つ便利だと感じることがある。
それは、駐車場所の問題だ。
ドゥマゲッティでは、行き先によっては駐車スペースを確保しにくいことがある。車で出かけると、目的地に着いてから駐車場所を探さなければならない場合もある。
その点、バイクは比較的取り回しがしやすい。
市内へ買い物に出るときも、車より気軽に移動できる。日常生活で必要な用事の多くは、私の場合、電動バイクで済ませられる。
もちろん、荷物が多いときや、天候が悪いときなど、バイクでは不便な場面もある。安全面への配慮も欠かせない。
それでも、私の普段の移動には、電動バイクがよく合っている。
住む場所を選ぶときには、目的地までの距離だけでなく、実際にどのような手段で移動できるのかを考えることが大切だ。
地図上では近く見えても、移動手段が限られていれば不便に感じることがある。反対に、使いやすい移動手段があれば、少し離れた場所でも問題なく生活できる場合がある。
郊外の静けさと、市内の便利さを使い分ける
今の私の生活は、郊外でのんびり過ごし、必要なときにバイクで市内へ出るという形になっている。
毎日の暮らしは、静かな郊外で送る。
朝はコーヒーを飲み、落ち着いた環境で一日を始める。買い物や用事があれば、市内まで出かける。必要なものをそろえたら、また郊外の自宅に戻る。
この生活スタイルが、私には合っている。
もし市内の中心部に住めば、買い物や用事はもっと便利になるかもしれない。しかし、私が求めているのは、便利さを最大限に追求する生活ではない。
毎日を過ごす場所が静かで、のどかで、気持ちよく暮らせること。そのうえで、必要な便利さを利用できれば十分だと思っている。
住む場所と、買い物や用事を済ませる場所を、必ずしも同じにする必要はない。
自分が心地よく過ごせる場所に住み、必要なときだけ別の場所へ移動する。そんな組み合わせも、暮らし方の一つだろう。
便利さをどこまで求めるか。自分に合った場所を選ぶ
都市部と郊外には、それぞれ違った魅力がある。
都市部では、必要なものやサービスにアクセスしやすい。一方、郊外では、場所によって不便さがあるものの、静かな環境や田舎らしい雰囲気を楽しめる。
どちらが優れているという話ではない。
大切なのは、自分にとって何が必要で、何がなくても困らないのかを考えることだと思う。
私の場合、住居費を抑えながら、静かでのどかな環境で暮らしたい。そのため、多少の移動が必要でも郊外を選ぶ。そして、買い物などで市内に出るときは、電動バイクを活用する。
こうすることで、郊外のよさを保ちながら、都市部の便利さも利用できている。
海外移住を考えるときには、家賃や物価、治安などの条件を比較することが多い。しかし、それだけでは、実際に暮らしたときの快適さまでは分からない。
どのような環境で毎日を過ごしたいのか。移動には何を使うのか。便利さのために、どこまでお金や時間を使いたいのか。
こうしたことを具体的に考えることで、自分に合った暮らし方が見えてくる。
私にとっては、郊外の静かな環境で暮らし、必要なときには電動バイクで市内へ出るという今の生活が心地よい。
便利な場所に住むことだけが、便利に暮らす方法ではない。
住む場所と移動手段を自分の生活に合わせて選ぶ。それも、海外で暮らしやすさをつくる一つの方法なのだと思う。
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